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水はどこからどこへ

 当企業団の事業について、水がやってくるまで(導水)、水道水ができるまで(浄水処理)、水道水を届けるまで(送水)に分けて解説します。

  • 水がやってくるまで
  • 水道水ができるまで
  • 水道水を届けるまで

水がやってくるまで(導水)


水がやってくるまでの概要(クリックすると拡大表示します)

 利根川から大多喜浄水場までは約 100kmあるため、水をポンプの力で高いところまでくみ上げ、重力を利用して運んでいます。
 利根川両総水門から取り入れた水は、両総用水第一揚水機場でポンプアップし、水路を経て両総用水共用施設(栗山川)へと送られます。横芝揚水機場で再びポンプアップし、房総導水路を流れて大網揚水機場まで送ります。大網揚水機場で再びポンプアップし、長柄ダムに到着します。長柄ダムの水は、長柄揚水機場でポンプアップして、南房総導水路、大多喜導水管を通り大多喜浄水場へとやってくるのです。

断面図
@利根川両総水門

利根川の水は、利根川両総水門(香取市佐原)から取り入れられます。
A揚水機場

利根川両総水門から取り入れた水は、両総用水第一揚水機場、横芝揚水機場、大網揚水機場でそれぞれポンプアップされ長柄ダムまで送られます。
※写真は横芝揚水機場です。クリックすると外観とポンプの写真が切り替わります。
B長柄ダム

長柄ダムの総貯水量は1,000万m3となっており、アースダムとしては日本有数の規模となっております。
長柄ダムの水は、長柄揚水機場でポンプアップされ、南房総導水路を流れて大多喜町にある導水制御工に到着します。
C導水制御工(注水制御工)

大多喜浄水場にやってくる水(導水)の流量の調節を行っています。

※導水関連の施設の管理は、(独)水資源機構が行っております。

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水道水ができるまで(浄水処理)

浄水処理概要図
『水道水ができるまで』のイメージ図 (クリックすると拡大表示します)


 長柄ダムから浄水場に送られてきた原水は、着水井を経て、粉末活性炭接触池へと送られます。 粉末活性炭接触池では、原水と粉末活性炭を混ぜ合わせ、有機物や臭いを除去します。 次の薬品混和池、フロック形成池、沈でん池は、フロック(水中のゴミや土などを集塊状にしたもの)を作り、取り除くための施設です。 薬品混和池では、凝集剤を注入し小さなフロックを作り、フロック形成池ではゆっくり撹拌しフロックを大きくし、沈でん池でフロックを沈め取り除きます。 沈でん池の上澄水を集め、急速ろ過池でろ過された水は浄水となり、浄水池に貯留され、各給水対象事業体の給水地点へと送水されます。

@着水井

長柄ダムからやってきた原水を受け入れる施設です。
※原水とは、ダムや川からやってきたばかりのきれいになる前の水のことです。
A粉末活性炭接触池

原水中の有機物や臭いを粉末活性炭により吸着除去するため、原水と粉末活性炭を混和する施設です。
B薬品混和池

原水中のとても小さなゴミや土などを集塊状にし、沈でんしやすくするための薬剤(凝集剤)を注入し、均一に混ぜ合わせる施設です。 凝集剤は、硫酸バンド又はPACを使用しています。
また、集塊状になった汚れの塊をフロックといいます。
Cフロック形成池

ゆっくりと水を攪拌して、沈みやすい大きなフロックを作る施設です。
D沈でん池

大きく成長したフロックを沈でんさせ、除去する施設です。上澄水を集め、急速ろ過池へと送ります。
光合成による藻類の発生を抑制するため開閉式の覆蓋を設けてあります。
E急速ろ過池

沈でん池で除去できなかった小さな汚れを、砂ろ過層を通して除去します。急速ろ過池でろ過された水は、原水から浄水と呼ばれるようになります。
※浄水とは、浄水場のしくみによってきれいになった水のことです。
F浄水池

急速ろ過池を通ってきれいになった水を一旦貯留しておく施設です。約4,200m3(小学校のプールで約14杯分)の水を貯留することができます。
G送水ポンプ棟

浄水池にたくわえられた浄水は、使われる水の量に合わせて市や町の配水池へとポンプで送ります。
※配水池とは、給水区域の需要量に応じて適切な配水を行うために、浄水を一時貯える池のことです。
H排水・排泥池

排水池は、急速ろ過池の洗浄水などが集められてくる施設です。集められた水は、原水として再利用するため着水井におくられます。
排泥池は、沈でん池で沈でん除去されたフロック(泥)を受け入れる施設です。
I濃縮槽

排泥池から送られてきた泥を受け入れ、沈降作用により更に濃い泥にする施設です。
底部に集まった濃い泥は天日乾燥床へ、上澄水は原水として再利用するため、排水池を経由して着水井に送られます。
J天日乾燥床

濃縮された泥を張り込み、乾燥させる施設です。底部が砂などのろ床となっていることから、ろ過による脱水と天日の力により泥を乾燥させます。 脱水された水は原水として再利用するため、排水池を経由して着水井に送られます。

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水道水を届けるまで(送水)

給水概要図
『市・町への給水』の図 (クリックすると大きくなります)

 大多喜浄水場からの送水は、夷隅系・安房系の2系統に分かれています。 夷隅系は、毎分4.7m3の送水ポンプ3台により、大多喜町、いすみ市、御宿町の各給水地点に送ります。 安房系は、毎分14.5m3の送水ポンプ3台により、勝浦市、鴨川市、鋸南町、南房総市、三芳水道企業団(館山市・南房総市)の各給水地点に送ります。 安房系のうち、勝浦市以外の各給水対象事業体への送水は、高台に位置する送水調整池まで送り、自然流下により送水しています。なお、鋸南線は地形的に圧が足りないため、途中、ポンプで加圧しています。
 送り出された水の受け渡し先である給水地点は、8事業体で16箇所あり、管内一円に点在しているため、送水管の総延長は約173kmに及びます。
 送水管は、高低差の大きな地域を通す必要があるため、高圧に耐えるダクタイル鋳鉄管及び高耐圧鋼管を採用しています。 また、河川を横断する必要があるところには、水管橋(水道管路専用の橋)を設置しています。

@送水ポンプ

大多喜浄水場から各給水対象事業体の給水地点へは、ポンプで水を送り出します。ポンプ及び送水管は、夷隅系、安房系の二系統に分かれています。
A送水調整池

大多喜浄水場から送り出された水は、送水調整池へと向かいます。
調整池とは、送水量の調整や異常時の対応を目的として浄水を貯留する池のことです。
※安房系のみ
B加圧ポンプ

管路の途中に設ける加圧用のポンプのことです。
※鋸南線のみ
C追加塩素設備

水道水の消毒のために使用される塩素の濃度は、送水の過程で下がってしまうため、途中で追加します。
※当企業団では、トリハロメタンの生成及び塩素臭の抑制のため、塩素の濃度はそれほど高くしていません。そのため、途中で追加する必要があります。
D水管橋

水管橋とは、水道管が河川などを横断するときに設ける水道管路専用の橋のことです。
E給水地点

給水地点とは、送り出された水道用水の受け渡し地点のことで、配水場(配水池が設置されている施設)内にあります。
各給水地点には、当企業団の流量計(メーター)や流量調節弁を設置している流量計室があります。
F配水池

給水地点で受け渡された水は配水池に貯えられます。
配水池とは、浄水場から送り出された水を一時貯える池のことで、各給水対象事業体によって管理され、ここから各ご家庭等に配水されます。

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